タイトジャンクションを守ってバリア機能を正常化

タイトジャンクションを守るエイジングケアを意識してバリア機能を維持する女性

タイトジャンクションとは、タンパク質でできた構造体です。細胞同士をくっつける接着装置のようなもので、細胞と細胞の隙間をふさぐはたらきがあります。

このはたらきにより、肌の水分や栄養分などが外部に出ていくのを防ぐ、肌の外から異物が入るのを防ぐ、イオンの透過を制御するといった効果が期待できます。

つまり、タイトジャンクションは、角質層とともにエイジングケアの要である肌のバリア機能を維持するために、大きな役割を果たしているのです。そこで今回は、タイトジャンクションとバリア機能の関係についてご紹介します。

タイトジャンクションとバリア機能の関係

表皮の顆粒層にはたくさんのカルシウムイオンがあります。このカルシウムイオンは、表皮の基底層で生まれた細胞が角層細胞に変化するためのスイッチのはたらきをしています。

だから、表皮が健康にターンオーバーを行い、十分な潤いをもつ角層をつくるためには必要なものです。カルシウムイオンが十分あれば、ターンオーバーは正常化し、逆に少なければ、停滞してしまいます。

そして、このカルシウムイオンは、タイトジャンクションと深い関係があります。タイトジャンクションが、水分を保持するだけでなく、カルシウムイオンを保持することで、ターンオーバーが正常にはたらき、健康な角質が生まれることで、バリア機能を維持することができているのです。

また、タイトジャンクションには、角質層を弱酸性に保つはたらきがあります。その結果、セラミドなどの角質細胞間脂質や天然保湿因子のひとつであるアミノ酸のもととなる成分の代謝が正常な状態をキープできます。また、美肌菌と呼ばれる表皮ブドウ球菌が十分な数となり、皮膚常在菌のバランスも保つことができます。

さらに、タイトジャンクションには、免疫の影響を受けてバリア機能を守るはたらきもあります。病原体が皮膚から入ってくると、炎症が起こって肌が荒れてしまいます。

炎症は、自然免疫がはたらいている証拠ですが、この免疫をはたらかせるセンサーは、たんぱく質の1種であるToll様受容体です。このたんぱく質が、病原体を認識すれば、タイトジャンクションに信号が送られ、バリア機能を高めるようになるのです。

タイトジャンクションを守るためのエイジングケア化粧品の役割

タイトジャンクションが弱まる要因には、エイジング、紫外線、ストレス、低体温などがあります。そして、タイトジャンクションが弱まると、肌の乾燥や敏感肌をもたらす場合もあるのです。

そこで、エイジングケア化粧品などで紫外線対策と保湿をしっかり行うことで、間接的にタイトジャンクションを正常に維持しましょう。

バリア機能を維持するための化粧水や美容液では、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、プロテオグリカンなどの保湿力の高い成分や、ナールスゲンなどの水分をしっかり保持するエイジングケア化粧品成分を配合したものを選びましょう。

また、フィラグリンを増やすマンダリンオレンジ果皮エキスやサガラメエキスなども間接的にタイトジャンクションをサポートします。

さらに、保湿クリームで、油溶性の保湿成分であるワセリン、スクワラン、シアバターなどを補い、ホホバオイルやアルガンオイルなどの美容オイルでも保湿を行って、タイトジャンクションを守りましょう。

まとめ

バリア機能は、角層にあるセラミドなどの角質細胞間脂質だけでなく、タイトジャンクションとのコラボレーションによって支えられているのです。

だから、エイジングケア化粧品などでの紫外線対策や保湿、ストレスを減らす工夫や温活を意識して行い、タイトジャンクションを正常にはたらかせてバリア機能を守りましょう。